股関節痛が我慢できないほどの痛さで、全然楽にならない。
股関節が激痛になった真の原因は、足が通常ではない状態になったから。
身体のゆがみを整えるだけでは、この状態は整えられません。
ツボを用いて股関節激痛が解消した、施術例です。
突然股関節が痛くなり、動けなくなったのは「例外」だから
渋谷です。
『この体調の人は例外だから、整体院には来ないよ。鍼灸師でも、腕が良い先生じゃないと難しいな』
恩師の鍼灸師、故杉山勲先生の勉強会で、そう伺った体調の人。
とうとう、私の整体院にお見えになりました。
股関節の激痛は、下半身が「例外」だったのです。
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お客様は40代女性。
都内の調剤薬局で、薬剤師をなさっています。
ご主人との2人暮らしです。
先週の月曜日、右股関節が突然激痛になりました。
朝起きてしばらくすると、右股関節が急に痛くなって、そのうち我慢できないほど痛くなってきた。
痛み止めを飲んでも、痛みは全然変化なし。
その日は薬局を休んで、股関節付近に手を当てて自宅でゆっくりしていた。
次の日、少し痛みは軽くなったけど、痛みが強くなったり軽くなったりを繰り返す。
痛くないときは家事もできるけど、痛いときは脂汗が出てくる。
『仕事をそんなに休むわけにもいかないので、2日目からは根性で出勤しました』
家族の勧めで、ヘルニア(脱腸)かも、と思い近隣のヘルニア専門クリニックを受診。
医師は右そけい部を触診して「ヘルニアではないと思うよ、しばらく様子みたら」と言われた。
それでも右股関節の痛みは変わらず、ネット検索で当院を見つけられました。
股関節痛が、ピクリとも変化しない
お客様に体調面を伺います。
高校生の頃、部活でテニスをやっていた時に、腰痛になった。
整骨院にしばらく通って、なんとなく腰痛は楽になった。
それ以来、普段は何ともないけど、疲れがたまってくると腰痛になる。
生理痛がひどく、20代の頃は毎月貧血を起こして倒れていた。
現在はそれほどひどくないが、毎回痛み止めを飲まないといけないほどつらい。
生理周期もバラバラで一定しない。
これまで股関節痛になったことはない。
骨折や交通事故、ねんざなど打撲の経験もない。
食欲や排泄、睡眠の問題もなし。
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ふむ・・・これではわからないな。
やっぱり、身体に聞いてみよう。
お客様の腰回りを調べると、特にゆがみはない。
右太ももは硬く、ピアノ線のようにピンと張った筋がある。
右太ももをゆるめ、ひざのゆがみを戻しました。
『先生、股関節がまた痛くなってきました』
「え?大丈夫ですか」
『わからない・・・』お客様は施術ベッドの上でギュッと硬く目を閉じ、眉間にしわを寄せています。
「すみません、腰を調べるのでゆっくり、ゆっくりうつ伏せになってください」
お客様の腰を調べても、やっぱり目立つゆがみはない。
骨盤中央にある仙骨(せんこつ)にゆがみがあったので、調整しました。
『ああ、少し楽になってきました』
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ああよかった。
それにしても、こんな身体見たことない。
身体のゆがみを整えても、ツボを調整しても、身体が変化しない。
まさか、胆石とか、腎臓結石とか・・・。
・・・ひょっとしたら。
お客様に「例外」の処置を行って、股関節痛は激変した
「もう一度、ゆっくりでいいので仰向けに寝てください」
右足内側をていねいに調べると、小さくポコっと吹き出物のように凸っている点を発見。
その場所を指先で軽く刺激します。
試しなのでごく軽く。
「ゆっくりベッドから降りてください。右股関節、今はどんな感じですか?
『痛み、わりと楽です。さっき、先生がすねを指で押したとき、足がスーッとして力が抜けた感じしました』
やっぱり・・・「例外」だ。
例外のツボを確認したので、もう一度ツボをしっかり刺激しました。
「杉山先生、とうとう私の整体院にも来られましたよ、例外の方が」
心の奥でそうつぶやきながら。
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「では、施術ベッドから降りて下さい。股関節はどんな感じですか?」
『痛みは50パーセントくらい残っています。腰が少し重い感じがします』
もう一度腰を調べ、残っているゆがみを微調整しました。
『腰も少し楽になりました。ああよかった~』
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「このツボだと、最近寒いところに行ったりしましたか?身体を冷やしたとか」
『・・・2週間ほど前に友達と、久しぶりにお昼を食べたんです。
その日の朝の天気予報で「一枚上着を持って行ってください」と言ってました。
お昼を食べる前から、ものすごく寒くなってガタガタ震えてました。
風邪ひくんじゃないか、と思いましたが、大丈夫でした』
「その時、股関節は大丈夫でしたか?また、例えば下痢をしたり軟便になったり、しませんでしたか?」
『翌日下痢でした。そして、1週間ぐらい腰が重だるくなってました』
「失礼ですが、この数か月強いストレスを受けていたり、身体に負担をかけていますか?」
『職場のストレスは強いです。主人にも毎日愚痴ってしまって、悪いなと思うんですけど、愚痴らないとやってられない、というのが正直なところです』
「東洋医学では、ストレスや環境面で身体に負担がかかって不調になると考えます。
さっき調整したツボは、天候不順や冷えで反応しやすい、と言われているツボです。
強いストレスにさらされて、抵抗力が下がっているため、冷えが身体の奥まで侵入してきた。
下痢をしたのは、身体の奥に入った冷えを身体が出そうとした反応と思われます。
でも、冷えが完全には出ないで、下半身に強い負担をかけたんでしょう。
その結果、右足が例外の状態になってしまった。
整体で身体のゆがみや骨のずれを整えても、変化しない状態です。
正直、私も初めての経験でしたが、うまくいったと思います」
『例外・・・また再発することってあるんですか?』
「繰り返し整体を受けて体調が落ち着けば、環境面の負担にも負けなくなります。だから、大丈夫ですよ」
『よかった、股関節のあんな激痛はもうこりごりです。よろしくお願いします』
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お客様は、翌週もう一度念のため来ていただきました。
右足は普通の状態になり、腰のゆがみだけになっていました。
「例外」の身体は、整体で整えるのは非常に難しいと思います。
少なくとも、私の整体の実力では、難しいというか無理でしょう。
「例外」の身体は、身体のゆがみを整えても、骨や関節のずれを整えても、対応できない状態。
例えれば、身体の気の流れが混線かつ脱線している状態です。
ツボで気の流れを整えることでしか、対応できません。
私はツボの働きや性質を学んでいて、身体の気のレベル別の調整を知っているからこそ、対応できました。
ツボの調整を学んでいなかったら、お手上げでしたね。
整体だけでは、股関節痛は一切変化しなかったでしょう。
本当に良かったです。
「例外」の股関節痛について
いくつかの共通点があります。
・股関節が激痛で、一切変化しない
・昔、腰や股関節、ひざを痛めたことがある(現在は自覚症状がないか、軽い)
・強いストレスに長期間さらされている
・寒さや冷えに弱い体質
上記の項目が当てはまる人は、身体が「例外」になりやすいので要注意です。
お客様は現在も、月に1回のメンテナンスでお見えになっています。
『股関節はほとんどなくなりました。学生の頃からの肩こりや腰が気になるので、そちらを見てもらいたいです』
結局、薬局は転職したそうです。
後日、杉山先生の治療院に出向き、このことを報告しました。
杉山先生は目を細めながら何度もうなずき『渋谷君、よかったね。鍼灸師も顔負けだな』とほめていただきました。
その後、杉山先生は亡くなられました。
先生から受けたアドバイスのご恩返しも全然できていませんが、今後も精進してゆきたいです。
何事も決めつけず、目の前のお客様の身体に一心に目を傾け、最適最善の処置をする。
軸をぶらさず、お客様の股関節痛を精一杯整えてゆきます。
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